ビジネススキルについて

誘導と見返りと心理

ビジネス心理において心理的負債というものがあります。
しかし注意しなければならないのは、自分から進んで、「助けてあげようか?」と相手に手を貸した場合、相手の心理的負債はあまり大きくならないということです。
手助けを申し出てくれたことに対して相手は「ラッキーだ」とは思っても、「助けてほしいなんて自分では頼んでない」という思いが働きます。
借りを作ってしまうと後々面倒だからです。
また、たとえば、新人と教育係りといった関係のように、自分が相手の指導係だというような場合には、相手は「面倒を見てもらうのは当然だ」と思っています。
そのため、手助けをしたとしても心理的負債は小さくなります。
セールストークに長けている、コネクションが広いなど他の分野での仕事が有能というわけでもなく、ただ面倒だから事務仕事をしないという使えない人の場合、仕事を手伝ったとしても何の見返りも期待することはできません。
つまり、利用価値はないのです。
そんなときには、直接上司に訴えてしまったほうが得策です。
部下の指導責任は上司にあるのですから、それこそ面倒な対応は上司に任せてしまいましょう。
しかし、このようにして上司に解決策を求めても、上司が「二人の間で上手くやってよ」と面倒くさがって対応してくれないということは良くあることです。
でも、そんなときこそ上司に貸しを作るチャンスと思いましょう。
上司に心理的負債を与えるようなセリフを言葉巧みに用いて、上司から「頼むよ」という言葉を取るのです。
問題を解決するのは厄介なことかもしれませんが、そのうち上司からの労力に見合うだけの見返りが期待できるのです。

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