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社会的現実性と合意的妥当化

会議では、さまざまな意見が飛び交うものですが、初めから誰もが納得するような答えは出てこないものです。
だからこそ話し合いが行われます。
つまり、他者と自分の意見を比較することで意見の正しさを評価するのです。
これをビジネス心理学では社会的比較、社会的比較により作られる評価基準を「社会的現実性」と呼びます。
このとき、周りの人が自分に賛成してくれたり、他者が表明した意見が自分と同じであるとわかれば、「他の人も同じように考えているのだから、どうやら自分の意見は正しいようだ」と思うことができます。
自分に賛成してくれる他者、自分と同じ意見の他者の存在を知ったとき、自分は正しいと思うことができるのです。
この他者からの合意や他者との一致を正しさの証明と考える傾向を「合意的妥当化」と呼びます。
そのため、集団内で意見や判断が異なる場合は、相手を説得し意見を統一し、異質なものを排除しようという圧力が生じます。
このとき重要なのは数の力です。
多数派を形成することができれば、それだけで集団内での影響力が強くなるからです。
上司が自分と違った意見を持っていることが事前にわかっているのなら、「自分は会議でこういうことを提案するつもりなんだけれど」と、会議の前に根回ししておくと効果的です。
そして、同僚が同じ意見を持っていることがわかれば、近い席に座ることで、自分たちは同じ意見の仲間なんだということを会議に出席している人たちに印象付けられます。
反対意見を出すとしても、同じ意見を持ったチームを代表して提案しているんだという印象を与えたほうが、周囲へのアピール度は高まります。
数の力は侮れません。

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